訪問歯科の“事故ゼロ運営

訪問歯科ビジネスモデル

2025.12.03

因で起きる。

事故をゼロにする医院の共通点はただ1つ──
“現場が迷わない仕組みを作っていること”。

転倒
誤嚥
連携ミス
予約ズレ
情報伝達ミス
嚥下状態の悪化

これらの事故は
“スタッフの意識”ではなく
“流れそのもの” で予防できる。

この記事では、
訪問歯科で事故を起こさない医院が実践している
事故ゼロ運営の仕組み をまとめる。

■ 訪問歯科における事故は「3種類」に分類できる

事故ゼロ運営を語る前に、
訪問歯科の事故は以下の3つに分類される。

🔵 ① 身体事故（転倒・誤嚥など）

→ 患者の身体に影響する事故。

🔵 ② 情報事故（伝達漏れ・報告抜け・確認不足）

→ 医療事故ではないが信頼を大きく失う。

🔵 ③ 運営事故（遅刻・予約のズレ・説明不足）

→ 施設・家族からのクレームに直結する。

この中でも ②と③が圧倒的に多い。
つまり、
訪問歯科の事故は“人の注意不足”ではなく
“仕組みの欠陥”が原因ということ。

■ 事故ゼロ運営の本質①

「決められた順番で動く」ことがすべて

訪問歯科は“流れの医療”。
流れが崩れると事故が起きる。

だから事故ゼロ運営の本質は
「毎回同じ順番で動く」こと。

✔ 事故が起きる医院の特徴

患者から先に行く日がある
施設の動きに合わせてバラバラな順番
報告が飛んだり漏れたりする
ドライバー・DH・DRで認識がズレる

どれも “順番の崩れ” が原因。

✔ 事故ゼロの医院が必ずやっている順番

施設に挨拶
その日の診療フロー確認
患者のカルテ・注意点を共有
診療スペース作成
診療
終了報告（施設 → 家族）
片付け
次回スケジュール確認
帰院後の簡易報告

この流れを 毎回固定している医院は事故が起きない。

■ 事故ゼロ運営の本質②

「チェックリスト化」と「声かけ」

訪問歯科の事故は
“確認不足” で起きる。

だから事故ゼロの医院は
必ず チェックリスト を仕組みに入れている。

✔ 身体事故の予防チェックリスト（例）

車椅子ブレーキ確認
施設スタッフに移乗の可否を確認
口腔内の嚥下状態確認
ヘッドアップ角度確認
チューブの有無確認

✔ 情報事故の予防 checklist

家族連絡が必要か
ケアマネへ情報提供は必要か
処置内容の説明は行ったか
次回の計画を伝えたか

✔ 運営事故の予防 checklist

訪問時間の事前伝達
遅刻しそうな時の連絡手順
ルートの事前確認

✔ 声かけの徹底（これが超重要）

事故ゼロの医院は
スタッフ同士で必ず声を出し合う。

「ブレーキ確認します」
「誤嚥のリスクあり注意します」
「次回計画伝えました」

声を出す医院は事故が起きない。

■ 事故ゼロ運営の本質③

“情報を一箇所に集約する（一本化）”

事故が起きる医院の95％は
情報がバラバラ。

施設 → 受付 → DRの伝達にズレ
家族への説明が届いていない
訪問看護と連携できていない
DHとDRのメモが違う

これを防ぐには
情報の一本化 が最強。

✔ 事故ゼロ医院が使う情報一本化の方法

LINE WORKS
Teams
チャットツール1本化
訪問報告フォーマット
朝の3分ミーティング

情報は どこを見るかを1つにする だけで事故が激減する。

■ 事故ゼロ運営の本質④

「初回に徹底的に情報を取る」

事故の多くは
“初回に必要情報を聞いていない”
ことから起きる。

✔ 初回で絶対確認するべき項目

嚥下状態
服薬
既往歴
転倒リスク
嚥下リハビリの有無
入浴時間
リハビリ時間
食事時間
送迎の有無
ご家族の希望
施設職員の負担感

これを丁寧に取るだけで
事故リスクの半分は消える。

■ 事故ゼロ運営の本質⑤

“遅刻ゼロの仕組み”を作っている

遅刻は “運営事故の王様”。
これが起きると信頼が一瞬で崩れる。

遅刻ゼロの医院は、必ず以下の仕組みがある。

✔ 遅刻ゼロ運営の仕組み

ルート最適化
曜日固定
前日の確認
15分前行動
遅れる時の自動連絡手順
渋滞リスクの予測

これを仕組みにすると
事故ゼロ＋継続率アップの両方が達成される。

■ 事故を起こす医院と、ゼロの医院の違い一覧

項目	事故が起きる医院	事故ゼロの医院
動き	毎回違う	毎回同じ
報連相	その場判断	型がある
連携	担当者次第	情報一本化
スケジュール	変動が多い	曜日固定
スタッフ	迷いが多い	迷いゼロ
初回	ラフ	最重要
チェック	感覚	リスト化