結論(この記事の要点)
訪問歯科の営業は
「売り込み」ではなく「関係構築」 が本質。
外来のように
“患者が自ら来院する” ものではなく、
訪問歯科は 施設からの信頼 によって継続的に依頼が生まれる。
つまり
- チラシ
- ポスティング
- 一斉営業電話
- 無理な営業訪問
これらは逆効果で、むしろ嫌われる。
訪問歯科の営業は
売り込みをやめた瞬間から成功が始まる。
本質は
「この医院なら安心して任せられる」
という信頼残高を、毎月積み上げていくこと。
このテーマの前提知識
訪問歯科で売上が伸びる医院は、
例外なく 施設との関係構築が上手い。
逆に伸びない医院は
- 営業の仕方が強引
- 提案が的外れ
- 施設の状況を理解していない
など、“相手の視点” が欠けている。
施設の人間関係を理解すると、
訪問歯科の営業は一気に簡単になる。
具体的な分析(営業の本質はここにある)
訪問歯科で施設を動かすのは、
院長のトーク力ではない。
構造はこうだ:
- 施設は忙しい
- トラブルを避けたい
- 信頼できる医療機関へ丸投げしたい
- 安定した対応を求めている
これを踏まえると営業の本質は
👉
“安心して任せられる医院”というポジション取り
に尽きる。
訪問歯科の営業で最も重要な3つの要素
① “相手の負担を減らす”が最強の提案である
施設職員は、日々の業務で手一杯。
だから営業で最も効果的なのは
「職員さんの負担を1ミリでも減らす提案」。
例:
- 連絡はLINEで完結
- 診療前日の患者リストはこちらで作成
- トラブル時の即対応
- 月齢・口腔状態・リスクの一覧表を定期配布
- 担当者変更の際の引き継ぎも医院側で対応
つまり営業トークの本質は
“あなたがラクになりますよ”
これだけ。
② 施設の“困りごと”を先に解決する
営業に行って
「訪問歯科できます」
と売り込む医院は伸びない。
伸びる医院は
最初の一言が違う。
今ここで困っていることありますか?
これだけで相手の心が開く。
施設が本当に困っているのは
- 入れ歯破損 → すぐ来てほしい
- 食事中のむせ → 評価してほしい
- いつも遅刻する歯医者に困ってる
- 担当者が変わると連携が途切れる
- カンファレンスで口腔の説明ができない
これらを“先に”解決すると
営業しなくても、施設の方から声がかかるようになる。
③ 安定・継続・誠実の“三本柱”が信頼になる
訪問歯科の施設連携で一番重要なのは
“医院としての安定性”。
- 同じ時間に来る
- スタッフの対応が丁寧
- トラブルの時だけ早い
- 月報・計画書をしっかり出す
- 施設との情報共有がスムーズ
この積み重ねが
「この医院は安心だ」
につながり、
施設からの紹介が止まらなくなる。
よくある誤解・落とし穴
❌ 誤解1:「営業は数を打てば当たる」
→ 訪問歯科は“質”の世界。
→ 適当営業は一人も定着しない。
❌ 誤解2:「安い価格を提案すればいい」
→ 診療報酬は全国一律。
→ 値下げは逆効果(“質が低い医院”という印象)
❌ 誤解3:「院長のトークで決まる」
→ 施設が気にしているのは
“トーク”ではなく“対応の安定性”。
❌ 誤解4:「営業=アポイントを取ること」
→ 訪問歯科は
“信頼残高を積む”営業。
実際にどう動くべきか?(行動ステップ3つ)
STEP1:施設の困りごとを3つヒアリングする
営業の最初の一言を
「何か困っていることありますか?」
にするだけで流れが変わる。
STEP2:施設の負担を“1つだけ”減らす約束をする
例:
- リスト作成はこちらで
- 連絡はLINEで統一
- 入れ歯トラブルは即日対応
- 月報をカンファレンス用に編集
小さな1つの改善で信頼が爆上がりする。
STEP3:毎月“安定感”を伝える仕組みを作る
- 訪問スケジュール
- 当日の対応報告
- リスク患者の共有
- 次月の予定
こうした情報発信は
営業ではなく“信頼のメンテナンス”。
まとめ(行動につながる)
訪問歯科の営業の本質は
営業しない営業。
売り込みは逆効果で、
本質は
- 相手の負担を減らす
- 困りごとを解決する
- 安定と継続を見せる
この3つ。
施設の人は忙しい。
だからこそ
“この医院なら任せられる”
という安心だけが、依頼の増加につながる。
訪問歯科は技術産業ではなく
“信頼産業”。
営業は「信頼残高の積み上げ」で決まる。


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