■ 結論(この記事の要点)
訪問歯科の離脱は、
「治療技術」よりも「現場のコミュニケーション」と「運営の安定性」から起こる。
つまり、離脱の原因の8割は
スタッフの態度・言葉・報連相・遅れ・説明不足など
“人と仕組みの問題”。
この記事では、
訪問歯科で実際に起こる 離脱理由ワースト5 と、
今日からできる予防策 をまとめる。
■ 離脱理由ワースト5(現場で本当に起きる)
第1位:遅刻・時間のズレ(継続率を最も下げる原因)
訪問歯科で一番嫌われるのが
「時間が読めない医院」。
- 10〜20分の遅刻
- 到着時間のブレ
- “何時に来るのかわからない”状態
これらは
施設・家族から一瞬で信用を失う。
● なぜ離脱につながるのか
施設は
- 入浴
- リハビリ
- 食事
- 排泄
など、生活リズムで動いている。
その中で「時間に来ない医療」は
現場全体の動線を乱す。
✔ 予防策
1. 曜日固定でルートを作る
→ 毎週同じ時間に行くことで“遅れが消える”
2. 15分前行動を徹底
→ 遅れそうな日は施設へ即連絡
3. 訪問前日のスケジュール共有
→ 施設・家族からの信頼が一気に上がる
第2位:説明不足(家族・施設が最も不安を感じるポイント)
訪問歯科でよくある離脱理由:
- 何をしているのかわからない
- 今日は何の処置だったの?
- 次回は何をする予定?
- 状況が変わったのに連絡がない
“説明不足”は必ず離脱につながる。
✔ 予防策
1. 毎回「処置内容の一言報告」
家族 or 施設職員へ軽く説明するだけでOK。
2. 月1の簡易報告書
写真つきならさらに信頼が跳ねる。
3. 初回説明を丁寧に(最重要)
初回で丁寧な医院は、ほぼ離脱しない。
第3位:スタッフの態度(技術より“人間性”で離脱する)
実は
スタッフの態度・表情・言葉遣いが
離脱の決め手になるケースは非常に多い。
患者や家族は、
医療知識よりも “雰囲気” を見ている。
- ぶっきらぼう
- 無愛想
- 雑に見える
- 施設職員への配慮がない
これらは即アウト。
✔ 予防策
1. 訪問の“挨拶スクリプト”を統一
→ 最初の10秒で医院の印象が決まる
2. 姿勢・動作・声のトーンまで教育
→ これを教えない医院が多いから差がつく
3. 施設職員への“お礼の一言”を徹底
→ 継続率が確実に改善する
第4位:医院内の連携不足(ミス・ズレ・伝達漏れ)
訪問歯科は
DR・DH・ドライバー・受付
全員が連携して動く医療。
連携が弱いとこうなる:
- 情報が伝わっていない
- 処置内容を違う職員に言う
- スケジュールの齟齬
- 家族への連絡忘れ
- トラブル報告が院長に届かない
これらはすべて“離脱の原因”。
✔ 予防策
1. 毎朝の3分ミーティング
→ 当日の流れ・注意点を全員で把握
2. 訪問後の簡易報告を統一
→ 「誰に・何を・どう伝えたか」まで共有
3. スタッフ間の情報伝達の“形式”を固定
→ チャット・ノート・シートなど統一
第5位:トラブル時の対応が遅い(誠実さの欠如)
訪問歯科のトラブルとは:
- 義歯の紛失
- 施設との伝達ミス
- スケジュールのズレ
- 家族への説明抜け
- 患者の急な状態変化
これらが起きた時、
対応が遅い医院は確実に離脱する。
✔ 予防策
1. “まず謝る”という姿勢を徹底
言い訳は最も嫌われる。
2. トラブル報告書を即提出
→ 施設の信頼が一気に回復する
3. 院長への即報告ルール
→ 早さ=誠実さ
■ 離脱は“起きてから対策する”では遅い
→ 訪問歯科は「予防」が9割
訪問歯科は
技術では差がつきにくい医療。
だからこそ
**“人と仕組み”**で圧倒的に差がつく。
離脱を減らしたいなら
今日からできることはシンプル。
■ 今日から医院が変わる「離脱ゼロのための3原則」
🔵 原則①:安定
時間・説明・動作がすべて同じ。
これだけで継続率が爆上がりする。
🔵 原則②:誠実
トラブル時の即対応。
言葉・態度が柔らかい医院ほど継続される。
🔵 原則③:配慮
施設職員・家族への一言が“評価”につながる。
これをやってる医院は本当に強い。
■ まとめ
訪問歯科の離脱は
技術ではなく“人と仕組み”で起きる。
逆に言えば、
“人と仕組み”を整えれば
離脱はほぼ防げる。
離脱ほど医院にとってダメージが大きいものはないが、
予防策を実行すれば
継続率は確実に改善する。
訪問歯科は
“安定 × 誠実 × 配慮”
この3つで必ず勝てる医療だ。


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