結論(この記事の要点)
「訪問歯科は儲からない」という言葉は、
“やり方を知らない医院”を見て勝手に作られた誤解です。
訪問歯科は
- 固定費が小さい
- 診療単価が読める
- スタッフが育つと圧倒的に効率が上がる
という性質があり、
仕組みを作れば外来より収益が安定する唯一の分野です。
実際、
1日7〜10名を安定して回すだけで年間黒字化ラインを越えるというデータがあります。
このテーマの前提知識
訪問歯科の“収益構造”は外来と全く違います。
▼ 外来
- ユニット(数百万〜数千万)
- スタッフ多い
- 家賃高い
- 時間帯によって収益のムラが大きい
▼ 訪問
- 初期投資が少ない
- 移動は車1台
- 1枠40〜60分で安定した点数
- 必要人数が少なくコストが低い
つまり、
外来=箱を持ち続けるためのコスト勝負
訪問=効率を積み上げるゲーム
儲からないと言っている人の多くは、
仕組みが整っていない状態で走っているだけです。
具体的な分析・データ(数字で理解する)
ここでは“儲かる/儲からない”の線引きを数字で見ます。
■ 黒字ライン(1日あたり)
※一般的なモデル
- 1日 7名 → ほぼトントン
- 1日 8〜10名 → 年間で黒字ラインに安定乗せ
- 1日 12名以上 → 利益が大きく跳ねる
■ 月間の推移イメージ
- 月20日稼働で
8名 × 20日 = 160名 - 160名 × 平均点数(約600〜800点)
→ 約100〜130万円の売上
コストは
- スタッフ人件費
- 車の維持
- 材料費(ほぼ微量)
くらいなので、
実質利益率は 外来より高いパターンが多い。
■ 初期投資の違い
外来 → 数千万〜1億
訪問 → ほぼゼロ
これで「訪問は儲からない」は実務上成立しません。
よくある誤解・落とし穴
❌ 誤解1:スタッフが確保できない
→ 訪問に興味ある歯科衛生士は一定数いる
→ “働きやすい体制”を見せると応募は普通に来る
❌ 誤解2:移動が大変で効率が悪い
→ 訪問先のルート最適化で“倍変わる”
→ そもそも最初はデイサービスでまとめてスタートすれば楽
❌ 誤解3:高齢者診療が大変
→ 慣れれば外来よりスムーズ
→ 会話がゆったりでトラブルが少ない
❌ 誤解4:訪問専門は信用されない
→ 2025〜2040は訪問の需要が爆伸び
→ 時代が追いついただけ
「儲からない」という声の多くは、“仕組み不足”が原因。
実際にどう動くべきか?(行動ステップ3つ)
STEP1:1日の目標人数を“8名”に設定する
訪問歯科経営の分岐点はここ。
8名回れば黒字化が見える。
STEP2:訪問先を「クラスター化」する
- デイサービス
- グループホーム
- ケアマネ連携
移動時間を“まとめて削る”と月間収益が倍速になる。
STEP3:DHを固定化し、教育コストを下げる
1人のDHが育つ → 効率が爆上がり → 医院の武器になる。
訪問は特に「人が育つ」のが外来より早い。
まとめ(行動につながる)
訪問歯科が儲からないという話は、
システムが整う前の医院の話。
- 1日8名
- 移動ルート最適化
- スタッフ固定化
この3つが揃えば
訪問歯科は“安定して利益が出る”分野に変わります。
そして一番大事なのは、
「儲からない」という声をうのみにせず、
数字で判断すること。
もしあなたが今、
- 開業
- 分院展開
- 訪問歯科の強化
を考えているなら、訪問歯科は確実に“伸びる領域”です。

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