結論(この記事の要点)
訪問歯科が強い理由は
「固定費をほぼ増やさず売上を伸ばせるビジネスモデルだから」
に尽きる。
外来は
- 家賃
- 人件費
- 設備費
- 開業費
など、固定費が膨れ上がる構造なのに対して、
訪問歯科は
売上の伸び ≒ 可変費だけが増える設計。
つまり
固定費のリスクが小さいまま規模拡大できる“特殊な医療モデル”
である。
結果として
売上1億 → 利益4000〜5000万
みたいな医院が普通に生まれる。
このテーマの前提知識
医療経営の基本は
「固定費をいかに軽くするか」
で勝敗が決まる。
しかし外来は構造上、固定費を削ることが難しい。
▼ 外来の固定費例
- 設備投資:数千万〜1億
- スタッフ人件費
- マーケティング費
- 家賃
- メンテナンス費
対して訪問歯科は
開業コストが圧倒的に低い。
- 車(またはレンタカー)
- ポータブルユニット
- 訪問バッグ
- 滅菌設備は院内を使う
これだけでスタートできる。
この“固定費の軽さ”が
訪問歯科の強さの源泉。
具体的な分析(訪問歯科が強い3つの理由)
① スタッフを増やさず売上だけ増やせる構造
訪問歯科は
1チーム(Dr+DH+運転手)を育てると、それだけで売上が完成する。
外来は
- 受付
- DA
- DH
- Dr
- 技工物
と多層構造になるが、
訪問は
1チーム自立型。
しかも
- 施設での診療
- 個人宅
- クラスター
を組み合わせることで、
同じチームで売上を倍増できる。
結果:
売上は増えるのに人件費が横ばい → 利益率が爆増。
② 固定費がほぼゼロで、可変費でしか増えない
訪問歯科の固定費は以下のみ:
- 車(リース数万円)
- ガソリン
- 材料費(少額)
- 滅菌は院内で完結
つまり
毎月固定で出ていくお金が極めて少ない。
外来のように
「椅子を増やす=固定費が増える」
という構造とは完全に逆。
訪問は
患者が増えたら売上だけ増える。
固定費は増えない。
この構造が強すぎる。
③ 売上の天井が外来より高い
外来の天井は
- ユニット数
- スタッフ数
- 技術
に依存するため
上限が早めに来る。
しかし訪問歯科は
ルート・クラスター・チーム数
で売上が跳ねる。
例:
- 1チーム → 月250〜350万
- 2チーム → 月500〜700万
- 3チーム → 月800〜1000万
設備投資なしで規模を伸ばせるので
事業として伸び代がとてつもなく大きい。
よくある誤解・落とし穴
❌ 誤解1:「訪問は儲からない」
→ 外来基準で考える人の勘違い。
→ 固定費構造が違いすぎる。
❌ 誤解2:「訪問は人件費が高い」
→ 外来と違い、チームが自立している。
→ 人件費率が安定して低い。
❌ 誤解3:「設備投資が必要」
→ ほぼ不要。
→ 院内の滅菌設備を使う設計がベスト。
❌ 誤解4:「訪問は移動がムダ」
→ 移動より“クラスター設計”が利益を決める。
→ 動線最適化で1日8〜12名が安定する。
実際にどう動くべきか?(行動ステップ3つ)
STEP1:固定費を“見える化”する(外来と比較)
外来:家賃、スタッフ数、設備費
訪問:車と材料費のみ
→ 固定費の差が一目でわかる。
STEP2:訪問チーム1つを強化する
訪問は“チーム単位”でスケールする。
- Dr
- DH
- ドライバー
この3人の連携が安定すると
売上は自然に伸びる。
STEP3:クラスターを作り、ルートを固定化する
固定ルートで
曜日ごとに“地域のテーマ”を決める。
例:
- 月曜:A市の団地クラスター
- 火曜:B市のデイサービス密集地
- 木曜:C町のグルホ集中地帯
これが利益の源泉。
まとめ(行動につながる)
訪問歯科が固定費をかけずに伸びる理由は
- 固定費が極端に軽い
- チーム単位で売上が伸びる
- クラスター設計で効率が跳ねる
この3つ。
外来型とは“ビジネスモデルの構造そのもの”が違うため、
訪問は利益率が高く伸びやすい。
訪問歯科は
固定費に縛られない医療モデルの完成形 である。


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