騙されるなシリーズ 医療法人化や節税トークに踊らされて損している医院の共通点【本当の節税は“構造”にある】
結論(この記事の要点)歯科医院がよく騙される分野の一つが、“節税トーク”と“法人化の甘い話” です。・「法人化すれば節税できますよ!」・「この設備買えば経費で落とせます!」・「役員報酬で調整しましょう!」これらは半分正しいが、半分は「あなたをその気にさせるための営業トーク」。本当に効く節税は“節税商品ではなく、事業構造の最適化” にある。外から買うものではなく、“あなたの医院の仕組み” を変えることが最大の節税になる。⸻このテーマの前提知識まず大前提として、税理士も材料屋もFPも“悪気があるわけではない”。ただし彼らには • 自社商品を売りたい • 契約を取りたい • 顧問継続を維持したいという事情がある。つまり、あなたが本当に得するかどうかとは別ベクトルで話すことがある。⸻具体的な分析(どんな医院が損しているのか?)■ 共通点①:「とりあえず法人化すれば節税」と思っている→ 小規模の個人医院は法人化で逆に負担が増えることも多い■ 共通点②:「役員報酬調整=節税」と信じている→ 報酬を上下させても本質的な節税にはならない→ キャッシュフローが乱れやすい■ 共通点③:節税のために“いらないもの”を買う→ 高額設備・高額車・謎の金融商品→ 経費で落としても現金は消える(節税の本質ではない)■ 共通点④:訪問歯科の収益特性を理解していない→ 訪問は“固定費が低い”ので、節税より拡大の方が得→ 規模で勝てるビジネス⸻本当に効く“節税”とは何か?① 固定費を増やさず売上を伸ばすこと訪問はここが最強。スタッフ1人育てるだけで利益が大きく伸びる。② 無駄な設備を買わない節税のつもりで金を失う医院が多すぎる。③ 法人化は“タイミング”がすべて・売上規模・分院計画・訪問の比率・家族構成これで最適解が変わる。④ キャッシュフローを太らせる=最強の節税訪問は“高利益率”だから利益を残す方が得。⸻よくある誤解・落とし穴❌ 誤解1:税理士が言ったから正しい→ 歯科特化以外の税理士は訪問の特性を知らないことが多い。❌ 誤解2:「節税商品を買う=賢い」→ 現金が減るのは節税ではなく“消費”。❌ 誤解3:法人化すれば勝手に儲かる→ 法人化は“節税”ではなく“器の拡張”。❌ 誤解4:訪問歯科は節税が難しい→ 固定費が低いからむしろ簡単。⸻実際にどう動くべきか?(3ステップ)STEP1:固定費の棚卸しをする外来より圧倒的に無駄が出やすい。毎月10万円削るだけで年間120万浮く。STEP2:法人化は“事業計画ありき”で判断する・分院出す・訪問を拡大する・スタッフ増やす→ この未来が見えるなら法人化は武器。STEP3:節税ではなく“事業の伸び率”に投資する特に訪問歯科は • 人 • 動線 • 拠点を整えるだけで利益が簡単に跳ねる。⸻まとめ(行動につながる)節税トークは一見魅力的ですが、あなたのキャッシュを減らすためのものが多い。本当にやるべき節税は • 固定費削減 • 事業構造の最適化 • 訪問歯科の強化 • 拠点戦略この4つ。訪問歯科は特に、“事業構造そのものが節税”みたいな側面がある。騙されないためには「誰が得する話なのか?」を冷静に見ることです。